ニャチャンにて

仕事を後任に引き継ぎ、ニャチャンを離れることになった。2年以上暮らしたホー・スン・フン通り31番地の家も引き払った。思えば、ここが社会人になって一番長く住んだ家だったかもしれない。今日、昼前のフライトでニャチャンを発ち、サイゴンへ。明朝、福岡…

チャン・デュク・タオ教授   世界的に著名で有能な哲学者

遵A醇Cy l醇A bản dịch của http://www.xaluan.com/modules.php?name=News&file=article&sid=31023. Nếu c醇p hỏi cung,, xin tiếp x醇D với Motoi Suzuki.ベトナムのような発展途上の恵まれない国から、このような有能な哲学者が生れるのは極めて特殊なこ…

チャン・デュク・タオの記事について

ベトナムのポータルサイトwww.xaluan.comで、チャン・デュク・タオを紹介したH醇Am Ch醇Cu氏の署名記事(http://www.xaluan.com/modules.php?name=News&file=article&sid=31023)を見つけたので日本語に訳してみる。同サイトには3回にわたってベトナム語と英語…

ホアンキエム湖畔

昨晩、ハノイ入り。朝8時半から国立衛生疫学研究所で会議。ゲストを見送った後、夜、旧市街を抜けてホアンキエム湖の周りを歩く。ハノイはサイゴンと違って、どことなく薄汚れた、垢抜けない街である。しかし、これはこれで味わい深いものがある。前に来たと…

(6)最終回

いまさらポストモダンの議論を引き合いに出すまでもなく、われわれには世界の全体を見渡すことは不可能である。そもそも、この世のすべての問題を引き受け、それらをまるごと解決する方法を示すことなど、はじめから不可能だし、誰もそんなものは求めていな…

(5)

では本題に入ろう。私はいったい何を問題にしているのか。それは、この20世紀的思考が言明と言明に還元されないもののあいだに打ち立てた、恣意的で限定的な関係である。そして言明のみを思考可能なものとし、それ以外のものを十把ひとからげに思考の枠外に…

(4)

ここで少し歴史を振り返っておこう。20世紀の前半、サルトルは現象学を完成させた。『存在と無』は、一切を<あらわれ>=現象に還元する。そこには、現象から離れて独立して存在する実体などない。もちろん「私」も例外ではない。「私」は現象と現象の関係…

Saigon... shit; I'm still only in Saigon...(2)

ホーチミン工科大学で用事を済ませ、夕方、街中をあてもなく歩く。サイゴンのこのあふれかえるバイクの波と排ガスとアジア的猥雑さに満ちた街並みの中を彷徨うのは悪くない。ここは私の好きな街のひとつである。レタントン通りで食事を済ませ、第3区へ戻る。…

Saigon... shit; I'm still only in Saigon...

Y先生一家と一緒に旧ニャチャン空港のそばのインターナショナル・スクールを見学。フランス領事館のサポートを得て運営されているらしい。その後、私用のため、19時20分のフライトでサイゴンへ。第3区の一泊20ドルのホテルに泊まる。

(3)

勘違いしないでいただきたい。私は言論など役に立たないと馬鹿にしているわけではない。「ごちゃごちゃ言うより、行動しろ、実践しろ」と叫ぼうとしているのでもない。ただ、言論にはいったい何ができるのかと問うているのである。そして、なぜ皆、その問い…

ニャチャンの日本人

先週後半から日本人会や日本人ゲストの来訪が続き、あまり海外にいるという感覚がしない。今日もそのゲストと市内のホテルに勤務している方たちと、日本人だけ総勢8人で韓国料理屋へ行って夕食。ニャチャンでこんなに多くの日本人と接触することはいまだかつ…

(2)

想像してみよう。 ごく一部の人間だけが情報にアクセスできる、閉じたコミュニティがあるとする。このコミュニティでは、情報にアクセスできる人間が、特権的にコミュニティのなかで何がおこっているかを<正しく>把握することができる。そしてそこから<正…

ノン傘とミス・ユニバース

来週末の小児感染症サーベイランスの準備のため、朝からビンタン・コミューンへ。海岸通りはすっかりミス・ユニバースの話題でもちきりである。昨晩、昨年優勝した森理世がルイジアナ・レストランに来たらしい。しかし、街から少し外れたビンタンはのどかな…

ニャチャン駅前の本屋

もちろん、ここニャチャンにもいくつか本屋はある。しかし、どれも昔ながらの本屋で、並んでいるのは大抵TOEIC対策本、ベトナム旅行ガイド、学校の教科書、『ドラえもん』、『名探偵コナン』だから、もうすこし「カルチャー」を求める人間は、はるばるサイゴ…

(1)

このところ立て続けに問いを発してきた。 正しいことを言えばそれで何かどうにかなるのかね、この言論過剰の時代に 白石市民の、白石市民による、白石市民のための「日本」思想では、「日本」は微塵も変化しないんじゃないのかい 米軍に口唇裂を治してもらう…

米軍に口唇裂を治してもらう貧しいベトナム人の子を前に反米を語れるのか?

今日は午前中、ビンフック・コミューンの小学校に行き、米海軍の医療船USNS Mercyの活動を視察してきた。 USNS Mercyは、もちろん本来は戦時に負傷兵を治療するための船なのだが、平時はこういう慈善医療ミッションを行なっていて、ニャチャンに来る前は、ベ…

白石市民の、白石市民による、白石市民のための「日本」思想では、「日本」は微塵も変化しないんじゃないのかい

ここニャチャンでは、午前11時半から午後1時半までの2時間は公式のお昼寝タイム。公共機関に行っても全職員が爆睡しているのでご注意を。 *** 先日の『思想地図』のシンポジウムに関するエントリーに対して、賛否両方のコメントを頂いた。どうもありがと…

米海軍偵察報告・・・失敗

暑い。熱帯なんだから当たり前で、口にしても仕方ないのだけど、それ以外に言葉が出てこない。 *** 例の米海軍の慈善医療団がうちの裏の小学校で活動している。患者にまぎれて診療現場を偵察に行く。いったいどうやってこれだけかき集めてきたんだ?とい…

USNS Mercy

いまニャチャン港沖に巨大な白い船が停泊している。米海軍の医療船で、子供に無料で形成手術を施すためらしい。ついでに米共和党のマッケイン大統領候補の奥さんも来ているらしい。http://news.yahoo.com/s/ap/20080619/ap_on_el_pr/cindy_mccainおかげで秘…

正しいことを言えばそれで何かどうにかなるのかね、この言論過剰の時代に

今朝も病院の近くで不法屋台の強制撤収。このところ、毎日のようにこういう光景をみかける。来月に迫ったミス・ユニバース大会に備えて公安がはりきっているらしい。 *** さて、目に入ったのでいちおうコメントしておく。 『思想地図』発刊記念シンポジウ…

書評:福岡伸一『生物と無生物のあいだ』

昔話からはじめよう。もう10年以上も前のことだが、医学生時代、私は生命科学の一般啓蒙書を読むのが好きだった。科学的事実だけが並んでいる教科書とは違って、生命とは何か、遺伝子とは何か、脳とは何か、といった本質的な問いに迫る自由な発想がそこには…

「ニャチャン+御父参」の検索で来られる方が結構いるので。「御父参」は日本人の<オトーサン>が経営されていた民宿+居酒屋で、日本人バックパッカーの溜り場として大変人気がありました。しかし、半年前に一時閉店に追い込まれ、「御父参」があった場所…

熱帯回帰

サイゴン経由で、無事に北極圏から熱帯のわが家に帰宅。暑い。当たり前だけど。

パリ午前10時10分

シャルルドゴールで乗り継ぎ待ち中。 ミャンマーへの派遣について具体的な話を頂いたが、現実的には困難と判断し*1、今回は見送ることにした。申し訳ない。そして残念。 *1:日程の問題はないのだけど、現地に他の仕事をもっていくことになり、診療活動に集中…

ブルーラグーン

本日ISPPD最終日。昼食後のセッション、WHO/UNICEF、GAVI、PneumoADIP、ゲイツ財団など勢ぞろいで行なわれた国際ワクチン政策に関する討論が面白かった。はっきりいって、現状では、最先端のサイエンスとヒト、モノ、カネを動かす政策決定の関係を支えている…

レイキャビクの本屋

会議も3日目が終了。夕食会があるとのことだが、それには参加せず、街中を歩いてみる。 向かいからアフリカ系のお兄さんが携帯で話しながら歩いてきて、すれ違いざま、「○○通りってどこ?」と聞いてきた。知らんねと答えると、使えないやつだなという顔で首…

ISPPD(その2)

フィンランドのチームがフィリピンで行なった肺炎球菌ワクチン(PCV)の研究のポスター。誰だか知らないが、張り紙が。 「PCVのプラセボ*1だって?もうとっくの昔に効果が証明されているだろ。倫理的に問題あり。」と。まあそうだけど。 *** イスラエル・…

ISPPD

今回、私が参加しているISPPDというのは、肺炎球菌に関する国際会議である。医療関係以外の方のためにいちおう言っておくと、肺炎球菌というのは細菌のひとつで、肺炎、髄膜炎、敗血症といった重症の病気をひきおこす。とくに世界中の5歳未満の子供の死因の…

白夜

現地時間午後4時、レイキャビク到着。思ったほど寒くなくて一安心。国際ワクチン研究所のPとNと合流し、5人(ベトナム人2人、アメリカ人、モンゴル人と日本人=私)でタクシーに乗り各ホテルへ。ただ他の4人と違って、出張費の安い日本の国立研究機関から来…

バスチーユへ!

朝6時半、シャルルドゴール空港到着。8時間も待ち時間があるので、ちょっと市内へ。サイゴンで合流したNIHE研究員の2人(ベトナム人)はシャンゼリゼ通りに行ったが、私だけバスチーユ駅へ。別にタイトルをこうしたかったからではなく、4年ぶりに国境なき医…