朝6時発の飛行機でニャチャンへ。タクシーで市街地に入ると、風景が変わっている。なんと全員がヘルメットをかぶってバイクに乗っているのである。すっかり忘れていたのだが、ベトナム全土におけるヘルメットの完全義務化が今日からだった。半年前からの移行期間中、装着率は目算で1パーセントにも満たず、昨日のハノイでもほとんど誰もかぶっていなかった。それが、たった一日で99パーセント以上が装着しているのである。
 ベトナムでは、長年にわたって、交通事故による死亡および頭部外傷が社会問題となっており、対策としてはむしろ遅すぎると言うべきだろう。しかし、このカオスのような交通事情を、短期間で完璧にコントロールしてしまうところに、社会主義国家における国家権力の力を目の当たりにした気がする。
 ちなみに、ニャチャンの場合、バイクショップにヘルメットは置いていない。なぜか帽子屋とか鞄屋で売っている。何か規制でもあるのだろうか。