2007-08-01から1ヶ月間の記事一覧

これまで、私は繰り返し萱野稔人の国家論を論じてきた(「国家・国境・領土」について)。いずれも批判的な内容だが、決してその議論そのものを否定したかったわけではない。くだらないと思うなら、はじめからとりあげたりはしないだろう。ただ、そこで展開さ…

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続いて『方法の問題』第3章。要約 人間が歴史をつくる。このとき人間には先行する現実の諸条件があるが、それを乗り越える。これが投企であり実践である。個人は自己を客観化し、与えられた条件を可能性に向かって乗り越え、実現することで歴史に貢献する。…

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今日は『方法の問題』第2章。 要約 現在のマルクス主義は観念論的で、現実の人間を見失っている。マルクス主義は、個人の経験を分析する精神分析学、生産関係と政治構造を分析する社会学を取り入れる必要がある。 人間の間には人間と現実的な諸関係しかない…

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サルトルの『弁証法的理性批判』を読んでいく。要約は要点を私の言葉でまとめ、内容について最低限のコメントを付すのみとする。今日は『方法の問題:弁証法的理性批判序説』(平井啓之訳、人文書院)の第1章(−p47)。 要約 哲学は、ある時代の知の全体化であ…