ミシガン大から来ていたCが帰国。
 カンホア総合病院へ。先週からサイゴンに行っていた、小児科部長のC先生がもどってっきた。一緒にAmerican Academy of Pediatricsの一行が付いてきていた。米国人小児科医4名(うち一人はベトナム系らしい)、助産師1名に通訳。AAPのベトナムプロジェクトという触れ込みだが、実際には皆ボランティアで来ているらしい。何をするのか私もくっついて見せてもらうことにした。それが、来るなりNICUに入って、年配の男性医師と助産師が、C先生やN先生の診断や治療にああだこうだとケチをつけはじめた。対応していたC先生はしどろもどろになり、後ろでH先生やT先生が、私に「あの人たちは臨床を知らないんだよ」と陰口を叩き始めた。T先生など、英語は苦手なのに、何とかしてAAPの連中は間違っていると伝えたいらしく、フランス語とベトナム語を交えながら必死に私に訴えてくる。よくわからないが、Oui、Ouiと頷いて、なだめておいた。あとで一行に、いったい何をしに来たのかと聞くと、「うーん、まだ来たばかりだからわからない」とのことであった。それで、来週には帰るらしい。おそらく帰国後は、NICUで現地医師の技術指導を行ったと、デジカメの写真とともに報告されるのだろう。絵に書いたような、最悪の国際医療協力の構図である。しかし、現在の国際保健は、程度の差こそあれ、常にこうした構図を孕んでいるということも、自戒を含めて認めざるを得ない。
 長崎から、一時帰国するよう連絡があった。関係者と諸連絡。