午前中、カンホア病院。どうにもコミュニケーションがうまくとれない。そろそろ方針を考え直さないといけない。エレベーターの前で、白い布で包まれた小さな体が運ばれていくのとすれ違う。母親らしい若い女性が絶叫して倒れこみ、傍でその母親らしい年配の女性が眼を真っ赤にして立ちすくんでいる。何があったのかスタッフに聞こうとも思ったが、やめた。
 テレビの接続と電話の開通について、何度も大家のベトさんに言っているのだが、なかなか話が進まない。仕方ないので、昼に、テレビを買った電気屋に行く。今日はなぜか英語が話せるスタッフがいたので、事情を説明し、アンテナケーブルを購入。20,000ドン。自転車に乗って家まで行き、つないでみたがうまくつながらない。ケーブルテレビ用の特殊なケーブルでなくてはならないようだ。デジカメでコネクタの写真を撮る。またもとの店まで戻るのはめんどくさいので、家の近くの小さな電気屋に行く。店のおじさんとおばさんに、買ったケーブルと写真と身振り手振りで説明したら理解してくれた。新しいケーブルを持って来てくれたので、いくらだと聞いたら、そのケーブルと交換でいいとのこと。本当にそれでいいのかと聞いたら、いいという。心から感謝する一方、それで商売は大丈夫なのかと心配になる。家に戻り、無事にケーブルを接続。テレビも綺麗に映るようになった。試みに電話機をとってみると、つながっている。これはおそらく、カンさんのご主人のお陰であろうと思われる。ADSLはまだだが、とりあえず一人暮らしできる条件は整った。ホテルに帰りがけにみつけた食堂で、コム・ディアを食べる。昨日の店とはまた違った品揃えだった。沢山の地元客に混じって、フランス人の家族が大声で談笑していて目立つ。「ティンティン、ティンティン、あっははは・・・」。わたしもそのティンテェン(勘定)しか言えないのだから、大差ないのだが、なぜか不快な気持ちになる。
 午後はデスクワーク。Gさんが英訳してくれた書類などをチェック。ハノイのY先生とSkype。明日、Y先生はニャチャンに来る予定。夕方、自転車で家に戻る。明日、バオ・ンゴクホテルを引き払う予定なので、自転車は家に置いていったほうが良いと考え、タクシーを呼ぶことにする。ホテルで教えてもらったデラックス・タクシーの番号に電話。受付の女性は英語で対応してくれたが、ホテルや施設と違って住所を言わなくてはならないため苦労する。なんとか、理解してもらい、タクシーは数分で来た。何となく、一歩前進した感じがする。
 夜は、バオ・ンゴクホテルの近くのドイツ料理レストランへ。スパゲティ・ボロネーゼとサイゴン・ビール2本。この店の前をよく通り過ぎるのだが、いつも店先で店主とその仲間数人、おそらくいずれもドイツ人、が談笑している。毎日毎日、同じ顔ぶれで、何をそんなに話をすることがあるのか不思議である。ホテルに戻り、半分酔っ払いながら、本を読む。CNNで、レバノンからMSFインターナショナル会長のローワン・ギルズが電話インタビューに応えていた。