昼、妻と子供とサンライズ・ビーチリゾート別館の日本料理レストラン『花ぶさ』へ。相変わらず客は全然いない。子供が小さいので、奥の座敷席に通してくれた。以前、ひとりで来たときはそうも思わなかったが、子供連れだと、座敷がある、屋内で冷房が効いている、他に客がいない、というのは大きなアドバンテージである。
 その後、ダム市場に行き、家具を探す。家にはまだプラスチック椅子が2つしかなく、段ボール箱を机代わりにしている状況なので、早々に買おうという話になっていた。何軒か家具屋をまわり、木製のダイニングセットとクローゼットをみつけた。言い値は合計3,800,000VSDだったが、妻が粘って、これにテレビ台を合わせて2,500,000VSDになった。家までシクロで運んでもらい、われわれはタクシーで帰ることにした。
 ダム市場に停まっているデラックスタクシーに乗ったが、延々とチャンフー通りを南下していく。何度か行き先を確認し、運転手は笑いながら頷くのだが、南下し続け、ルイジアナカフェも過ぎたので、道路脇に停めさせた。たまたま道端に座っているおじさんが英語が通じたので、通訳してくれた。運転手は行き先がうまく聞き取れなかったという。確かに私や妻のベトナム語の発音では通じにくいだろうが、少なくとも自宅の住所に関しては、練習の成果もあって、これまで行き先を間違えられることはなかった。まあ、ダム市場に小さな子供を連れた外国人家族がいれば、旅行客だと思われ、多少は遠回りされても仕方ないとは思うが、それにしても度が過ぎる。「あんた達の発音が聞き取れなかったんだよ」と運転手を擁護するおじさんに、「じゃあ、行き先もわからいまま走り出すなよ」とさんざん文句を言って、メーターの30,000VSDは払わずにその場を離れる。運転手も怒って、走り去っていった。たまたまそこに座っていて、英語が喋れるというだけで、双方から怒鳴られたおじさんは災難だったろう。仕方なく、ルイジアナカフェまで歩いていき、Vタクシーを呼び出す。Vタクシーは、御父参居酒屋のご主人がすすめてくれた会社で、トラブルが少ないという話であり、このところ何度か使っている。やってきた運転手もわれわれのことを覚えていてくれて、こちらから行き先を言うまでもなく、家まで届けてくれた。日本でタクシーを使うことはほとんどないが、ここではどうしても家族での移動時にはタクシーが必要である。毎回、もめるのはストレスなので、今後、タクシーを使うときは、Vタクシーにする。
 家に着くと、すでに家具を積んだシクロが門の前で待っていた。ダイニングセットをダイニングに、クローゼットは寝室の隣の部屋に、テレビ台をリビングに置いてもらい、2,500,000VSDを払う。早速、クローゼットを開けようとするが、戸が開かない。鉄の棒を使って無理やりこじ開けたら、ようやく開いた。外のつくりに比べて、中は汚い。まあ、使えないわけではないので、いまさら店に文句を言う訳にもいかないだろう。買うときに、値段交渉に夢中になって、中を確認するという基本を忘れたわれわれの失敗である。カンさんには、そもそも市場は高いし物が悪いので、避けたほうがいい、次から家具を買うときはカンさんの旦那が買い物を手伝うから必ず呼ぶように、といわれる。
 今日は疲れた。